能舞
日本象牙彫刻秀作全集より
「翁面」は、能の先行芸能であった「翁」の専門面として他の能面より、はるかに早く
様式が確立されていた。今でも能の中野特別な演目として上演される「翁」の舞。
「天地人の拍子」を踏み、右手の扇を面にあて左そでを頭上に返す翁特有の型を
完璧なまでの様式美として定着させた作者渾身の力作。
紅葉狩り
日本象牙彫刻秀作全集より
紅葉を集めるという現代にはない徐著ある風景をさりげない日常の一齣として捉えた作品。
秋をそのまま残したいという心情に、日本人の美意識を見ることができる
蟹遊び
日本象牙彫刻秀作全集より
夏の一日、笹の葉で蟹採り。今ではすっかり忘れられてしまった古い日本の一風景。
満足げに蟹を見せる老人と楽しげな孫たちの会話が今にも聞こえてきそうなこころ休まる作品
肩車<孫三人>
日本象牙彫刻秀作全集より
手に持った蜻蛉を肩車された子が身を乗り出して取ろうとする様子や、おじいさんの足に乗ってしまっているもう一人の
弟の足の表情が蜻蛉を欲しがっている気持ちをよく表現していてほほえましい。
純真な孫に囲まれた老人の柔和な表情も現代の生活環境に生きるわれわれには到底自分のものとすることはできそうもない