環境省自然環境局 のWebサイトに象牙に関するQ&Aが掲載されています。
象牙の扱いに関する現状を皆様にもお知らせしたいと思いますので、
少しずつご紹介いたします。

問9 象牙の輸入が禁止されているにも関わらず、国内の全形牙の登録が継続し、延べ登録数が増 加しているのはなぜですか?

 日本には、過去に合法的に輸入された全形牙が多数存在しており(問5、問7)、これらを取引するた めの登録は継続しています。登録数が近年増加している理由として、高齢者による財産の処分が増加 する中、象牙の取引ルールの広報努力を通じて一般への普及が進んでいることがあると推察されます。

・日本にこれまでに輸入された全形牙の量は、日本がワシントン条約の締約国となって(1980 年 11 月 4 日発効)以降、象牙の国際取引禁止までの間(1981~1989 年)だけでも約 2,006 トンが記録されてお り(問5参照)、さらに、日本がワシントン条約の締約国となる前にも多くの象牙が合法的に輸入され たと推測されます。

・これに対し、登録制度が始まってから現在まで(1995~2019 年 12 月)に登録されている全形牙は, 累積約 384 トン(うち、過去に 2 回の特別に認められた国際的な商取引で輸入された分は約 89 トン。 これらの象牙は我が国に輸入された後、全てが速やかに登録された。)です。全形牙の登録制度が開始 される前に製品に加工され、消費された全形牙もあると思われますが、いずれにせよ、輸入総量に比し て登録された全形牙は少量であり、過去に合法的に輸入された象牙のうち未だに登録されていない象 牙は我が国国内に相当量あると推定されます。

・また、全形牙を所有するだけであれば、登録は不要であり、個人所有の象牙は未登録のものが多くある と考えられます。全形牙の所有者の死亡や高齢化に伴い、相続や生前贈与、財産処分などのため全形牙 を譲り渡す必要が生じ、登録を行う事例が増えてきていると推察されます。

・近年、象牙の取引ルール及び登録制度が、多くの方々に知られるようになってきたことが、所有者に登 録を促し登録数の増加につながる一因となっていると考えられます。

・以上のような要因から現在においても全形牙の登録が継続的に行われ、延べ登録本数が増えておりま す。

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