日本国内で流通している象牙について、環境保護団体の方々には、

  1. 日本は密輸入をしているのではないか。
  2. 中国から不正に購入しているのではないか。
  3. それを登録し、登録票を取得して正規化しているのではないか。

等々ご心配をお掛け致しております。

 

 日本はその様な不正な行為はしていないと断言して、下記の通りご説明致します。

①    1989年象牙の国際取引禁止となりましたが、日本はそれ以前の1945年~1989年の間、約45年にわたり日本通関統計では既に6,000t余り輸入致しておりました。

②    種の保存法により牙の登録制度が履行されてから約20年近く経ちますが、登録された牙は200~300トン位ではないかと想像されます。

③    全輸入量の20%~30%程度(1,200t~1,800t)形の良いもの、美しくきれいなものについては当時の輸入業者は、国内の顧客観賞用の牙として、販売してきました。

これら国内の牙は、損耗したり消滅したりは致しませんので、かなり膨大な象牙が未だ国内に存することになります。

④    日本国内で象牙を買取りする場合、買取価格は1kg当り2万円~4万円が相場ですが、中国の国内流通価格は1kg当り15万円~20万円が相場だそうです。従って象牙市場の低迷化現状の中、日本はこれら象牙を中国から不正輸入したり中国より不正に買取りする必要はないのです。

⑤    もし実現可能であれば、費用が莫大にかかるかもしれませんが、適切な啓蒙活動で周知徹底し、法律で日本国内にある全ての象牙を正しく登録させる。そしてそれを資源として使用することができれば、現在の日本の象牙使用量から推し測っても当分の間、アフリカ象牙原産国から輸入に頼る必要もないのではないかと考えております。

その間、アフリカ原産国では象の生棲数の回復に努めることができるのではないでしょうか?

 

今年はワシントン条約締約国会議が、秋に南アフリカにて開催されます。その準備のために、この2月にジュネーブにて常設委員会が催されました。

この様なタイミングに当り、この時期をとらえて環境保護団体の方々は、通例として前述1.~3.の様な不確かな内容の事柄を以前報道された残虐な写真や映像を用いてセンセーショナルにマスコミに働きかけております。

これには国内の象牙業者は大いに困惑いたしております。

そこで環境保護団体の皆様方にお願いしたいことは、日本の象牙業者の団体と話合いの機会を作っていただき、ぜひ日本の象牙事情の実態を正しくご理解いただければと願っております。

 どうぞよろしくお願いいたします。