象牙美術品 野宮(ののみや)
象牙美術品 野宮(ののみや)

 

日本象牙彫刻秀作全集より

 

六条御息所の光源氏を想う心は、生き料となって源氏の正妻・葵の上をとり殺すほど激しいものであったが、
その魂は自我から解かれ、源氏の恋人として、最後に対面した日にこの野宮に立ち戻ってくるという筋である。
愛の深淵をのぞかせ、妄執の輪廻を描く能の名作とされるこの作品を象牙彫刻美の粋とも言うべき技をもって
創造している